前々回のブログで発表したように先月末、長らく住んだ北海道を去り、故郷の岩手県に帰ってきた。
事の発端は父が6月にパーキンソンと診断されてしまったことだ。
症状は今のところ、軽微なのだが、さすがに農作業を任せっきりにするのは忍びなくなった。
また「なんやかんやどうにかなるのではないか」という極めてテキトーな希望的観測を持っていた実家の土地問題も、ここにきて避けがたい自分の問題と認識したこともある。
もっとも岩手に帰ること自体は基本的にポジティブに思っていた。高齢の両親をほったらかしてフラフラしている罪悪感から解放されるし、ドライブするにも写真撮るにも学生時代しか過ごしていない故郷はむしろ新天地みたいなもんだし。決して嫌々帰ってきたわけではない。
ただ、北海道と別れる寂しさは別問題。
大学進学を機に北海道に移り住み、17年。人生の半分を過ごした北の大地を去るのはキツイ決断だった。
北海道と言えば、ドライブやツーリングの聖地。そこに住んでいるという圧倒的な立地パワーは最後まで新鮮な感動を与えてくれた。全然走り足りないんだ。
大好きだった大雪山系や十勝連峰もそう簡単には行けなくなる。
あの目に入る全てが絶景というカムイミンタラが恋しい。
毎年のように行っていた積丹の海も今は遥か彼方になってしまった。
そして何と言っても札幌だ。
就職を機に移り住み、計10年以上過ごした。
札幌で過ごした10年で自分は別人のように変わったと思う。
あまりにも酷い出来だった20代の自分を周囲の人が見捨てないで世話してくれたおかげで多少マシなやつになれた。
その多少マシにしてくれた、たくさんの人達とお別れすることになったのがとにかく辛い。
大自然より、やっぱり人だったってことです。
飲み仲間のおじちゃ、もとい先輩をはじめ、仕事の楽しさを教えてくれた元上司、尊敬しライバル視してた歳の近い前職の先輩、急激に仲良しになった会社の後輩、車仲間、前職のパートさん達、大学時代の同級生、クラブのおねえさん、スナックのママ、エトセトラ。
そういった大好きな人達と、もっと北海道で大人になっていきたかった。ツラツラと思い出すとそのたびにちょっと泣きそうになる。
でも、これでさよならではない。
幸い仕事の都合で札幌には時々戻れるし、バスとフェリーを乗り継げばプライベートでも気軽に行けることも知っている。時々なら北海道に後ろ髪を引かれても許してもらえるだろう。
あと函館なら新幹線であっという間に行けるのも本当に大きい。
時間的には札幌から行くより岩手から行くほうが早いくらいだ。
車で行けないのは残念だけど、大好きな劇団の人達や車仲間に会うことは難しくない。
ただ、もちろんいつまでも未練がましく北海道北海道と言っているつもりもない。
ずっとメソメソしていたのでは自分を成長させてくれた北海道の人達に顔向けできないしね。
岩手でも元気にやっている、と見せることもささやかな恩返しになるはずだ。
だから、北海道メソメソ話はこのエントリーで終わり。
北海道でこのブログを見てくれてる人達に岩手を布教するくらいの気持ちでバシバシいい感じの写真撮らないとね。