ここ最近、晴れる日の早朝は濃い霧が立ち込めている。
そう、これがあるから中途半端な時期に実家に戻りたかったのだ。
この時期、遠野盆地では壮大な雲海を見ることが出来る。
かくして今朝は早起きして名所である高清水展望台へと向かった。
車を降りると目の前に言葉を失うほどの大絶景が待っていた。
まるでもののけ姫のオープニングシーンみたい。
故郷がこんなにも美しい景色を毎朝のように演出していたなんて、全く認識していなかった。
学生時代とは言え、18年も過ごした土地に対して自分はあまりにも無知だ。
高清水は雲海スポットとしてはそれなりに有名なためか、現地の駐車場には県外ナンバーも多かった。
それを考えると車でわずか30分で来た自分は相当恵まれている。
惜しむらくは自分のスキル。
雲海をその壮大さそのままに写真にするのがどうも上手くいかない。
広角で雲海をダイナミックに撮影している人達なんて次の紙幣に印刷したいくらい尊敬している。
高清水を降りてからの帰り道、六角牛山の山頂付近が雪化粧していた。
山に3回雪が降ったら、里にも降ると地元では言われている。
故郷で迎える久しぶりの冬はもう目の前まで来ている。
遠野に帰ってきて以来、写真をやっていて良かったと余計に感じている。
一見すると何もないど田舎が自分にとってはパラダイスそのものなのだ。