PENTAXで1番売れているレンズ。公式SNSがそう謳っていたレンズがこちら。
HD PENTAX-DA 55-300mm F4.5-6.3 ED PLM WR REだ。
今回のレビューではこのレンズがこれほど人気な理由を紹介していこう。
購入経緯
このレンズの登場は2016年8月。わたしが初めてのカメラであるK-S2を購入した時にはすでに世に出ていた。
しかし、写真を始めたばかりの頃は望遠よりも広角派だったことやフルサイズのK-1Ⅱを購入したことで長らく見向きもしなかった。
それが急に喉から手が出るほど欲しくなったのはK-3Ⅲ発表によるもの。
詳しくは後述するが、このレンズの様々な利点がK-3Ⅲと完璧なまでにマッチングしていたからだ。
結果としてK-3Ⅲに合わせる標準ズームと広角ズームは散々悩んだのに、望遠はDA55-300PLMで即決であった。
Very Good
可搬性抜群なコンパクトボディ
このレンズの何が素晴らしいって、とにかく小さくて軽いことだ。
換算で85-450mm相当という広い焦点域をカバーしていながら、ボディは同じようなカテゴリの標準ズームであるDA16-85mmよりも小さい。その上、径も細い。
このコンパクトボディを実現している要因の1つが沈胴式ズーム。
撮影時はこれくらいに繰り出して使用する。
繰り出しのボタンはカチッとした手応えがあって、沈胴ズームによくあるグニッとした安っぽさはない。
このレンズの可搬性がいかに優れているかを1番示しているのがこの1枚。
450mmの焦点距離を使いたいとなったら、フルサイズだと上の組み合わせになる。それに対し、DA55-300mmPLMならこの通り。
もちろん、F値も光学設計も焦点距離も違うのだから、全然フェアではない。
フェアではないが、望遠も450mmあれば概ね十分なわたしにとってこの可搬性の差は大きい。
いつも別持ちしていた超望遠域がカメラバッグに収まっちゃったんだもん。それどころか登山にまで持っていける。そりゃ感動するよ。
素晴らしい描写性能
沈胴ズームでこんなにコンパクトなら写りはお察し...なんてことはない。
描写の傾向自体はDA16-85mmと同様でシャープかつソリッドな感じ。
しかし、解像感と抜けの良さはそれ以上ではないだろうか。
色乗りも素晴らしく、ゆるさも一切なし。
DFA150-450mmを持って行けない環境でも妥協感が全くないので助かっている。
こうも描写性能が高く、しかもコンパクトってんだから、そりゃ売れるよね。
しかし、なんとこのレンズの化物ぶり、まだ続く。
高速・静音なAF
このレンズがK-3Ⅲと相性抜群な1番の理由がAF。
K-3Ⅲ発売時、PENTAXでは唯一のパルスモーターによるAF駆動。
このパルスモーターがなんだかはよく分からないが、とにかくAFが高速でしかも静か。
最初はあまりの速さと静かさに「AF動いてる?」と思ったほどだ。
このパルスモーター駆動とAF性能が大幅に向上したK-3Ⅲという素晴らしいマッチングがわたしに野鳥撮影という新しいジャンルを提供してくれた。
ちなみに他のAF駆動方式との違いはこんなイメージ。
DCモーター:ジッジジッ(合焦)
ボディモーター:ウィーンウィーンウィ(合焦)
パルスモーター:ス(合焦)
安い
コンパクト・素晴らしい描写性能・高速静音なAFと三物も与えれたこのレンズがなぜか安い。べらぼうに安い。
現在、新品が45,000円、中古で35,000円くらい。
意味がわかりません。
Not Good
かっこいいレンズではない
カメラに装着した画像を上記ですでにあげたが、かっこいいレンズではない。
KPに付けてもこの通り。
見てくれを期待するレンズではないので、文句ってほどではない。
開放F値が暗い
コンパクトな筐体とトレードオフで犠牲になったのが明るさ。
開放F値が4.5-6.3と結構暗い。
特にテレ端でF6.3というのはちょっと心もとない。
動物園では金網を溶かせないし、SSも稼げない。
と言っても、そういうシーンに当たること自体、個人的には多くはないのでそこまで気にしていないけど。
コンパクトというメリットの方が大きい。
また、暗いと言ってもボケは意外と悪くない。
最短撮影距離が0.95mとそこそこ寄れるし、後ボケも素直。
壊れた
購入から約3年目、ピント不良で故障した。
修理費はだいたい16,000円くらい。
ただ、ここまで言ってなんだが、そんなに心配する製品ではないと思う。
理由は次の通り。
・そもそもマップの中古で購入。その前に何年運用されていたか知らね。
・山やフィールドでゴリゴリ使っていた。
・ネットで調べたけど、同様の症状はおろか、故障したという話もほとんどない。
なのでわたしの当たりが悪かっただけと思われる。
そういうことも稀にあるんだな、と参考程度に考えて欲しい。
まとめ
かくして、このレンズがPENTAXで人気No.1という話は首がもげそうなくらい同意出来る。
どこにでも持って行けるのに写りに関して何の妥協も必要ない。
この頼りがいゆえに登場機会も多く、レビュー用に使う写真選びにも悩んだくらい。
PENTAXを始めるなら、望遠レンズはこれから始めるべきだろう。
その後、どんなレンズを買い足したとしても後悔することはまずもってないはずだ。