今日は久しぶりにPENTAX機材のお話。
取り上げるのはこちら。

PENTAXフルサイズ用大三元が一角、HD PENTAX-D FA 24-70mm F2.8ED SDM WRだ。
購入経緯
元々うちには明るい標準ズームというのがなかった。
そのため、24〜70、80mmあたりでボケが欲しい時なんかは単焦点を使っていたのだが、まぁ当然、めんどくさい。
「単焦点を引っ張り出すほどじゃないが、ボケは欲しい」とか「ボケは欲しいがそれよりテンポ良く撮りたい」など、明るい標準ズームが欲しい気持ちは増していった。

というのは建前で本音は「大三元がついに揃いました!」をやりたかった。
そこはほら、機材オタですから。
Very Good
優れた解像力
よく写るレンズを単焦点要らずというのは毎度のことだが、このレンズもそこに該当する。

特に中央の解像力は非常に高く、使うたびに「え?すごくない?」とナチュラルに驚いてしまう。
PENTAXのフルサイズ用標準ズームでは他にDFA28-105mmもあって、あれも相当によく写るレンズだが、解像力においてはさすがにDFA24-70mmの方がより精細な印象。
Good
安心の防滴構造
このクラスのレンズでは珍しいことではないが、ちゃんと防滴構造になっている。

ただし、残念なのはPENTAXのプライムレンズではお決まりのAW、つまり防塵防滴ではないということ。
ここは同じタ◯ロンさんOEMレンズであるDFA15-30mm F2.8も同様なのでしょうがないことなんだろう。
良好な光学性能と描写
収差はよく抑えられており、歪曲もあるはあるが、十分補正可能な域。

大口径のわりに逆行耐性も良好で扱いやすい。
色乗りもPENTAXレンズの中では素直でデータも扱いやすく、優等生な印象。
ただ、逆に言えば、少しばかり個性に欠けているかもしれない。
Not Good
さすがにデカい。
フルサイズ一眼レフの大三元標準ズームとしては一般的なサイズ感だが、とは言え、明らかデカい。

先に上げたDFA 28-105mmと比較すると、このサイズ差。

フィルター系も82mmと超広角やF1.4の中望遠級にデカい。

うちのカメラバッグ、バックライト26Lだと一等地に何とか収まるくらい。
そのため、可搬性はギリ許容内。
Bad
見た目がダサい。
ここはもう完全に個人の意見だが、見た目が好きじゃない。好きじゃなさすぎる。
ミチミチしているというか、構成要素が多すぎると言うか、なんかウルサイ。

同じ標準ズームのDA★16-50mm F2.8と比較すると、ほら、なんかデザインに余裕のなさを感じないですか。
そこはOEMのレンズだから、しょうがない....なんてこともない。

同じOEMレンズのDFA15-30mm F2.8も飾りっ気はないが、シンプルでストイックなカッコ良さがある。

K-1Ⅱに装着するとこう。本体とレンズのサイズバランスから来るフィット感は悪くなく、似合ってはいる。

だが、フードつけると微妙な感じに。
純粋なPENTAXレンズと比較すると、まるっとしていてどうも古臭い。反射防止の溝が入っているのはいいけど...。

ロックスイッチも、"つけるの忘れてたから、空きスペースにぶっこんだ"感がある。
それなら、もう要らなかったのでは...。
周辺減光がキツい
見た目だけなら、ともかく、このレンズの致命的な問題が、開放時の周辺減光だ。

周辺減光が大きいとは聞いていたが、まさかここまでとは...。
露光状況にもよるけど、遠景だとワイド〜テレのどこでも目立つ。最初はケラれているのかと思ったほどだ。
明るい標準ズームが欲しくて購入したら、開放側にクセがある、というそもそも論。

一応、遠景でなければ、そんなに目立たない。ただ、シチェーションによってバラつきがあると「それ1本で色々撮れる、色々表現できる」が売りの大三元標準ズームとしては苦しい。

なお、周辺減光はちょっと絞ると補正で何とかできる程度には改善できる。
ただし、結局絞るなら、フルサイズでF2.8通しである大三元の意味が萎んでしまう。
それで、標準ズームに何持って行こう?ってなった時、DA★16-50mm F2.8を使っちゃうんんですよね。
まとめ
最後、ボロカスに言ってしまったが、やや想像以上とは言え、見た目も周辺減光も購入前からわかっていたことで別に後悔はない。
そもそも、大三元が揃ったー!をやりたくて購入したのだから、その時点で満足している。

それに精細な描写と扱いやすいデータの満足度は本当に高い。
精細と言ってもカリカリしすぎていないところも好ましい。
人間もレンズも、やっぱ大切なのは中身よ、中身。
(あ、周辺減光は中身か)