PENTAX以外で初となるメイン機、LUMIX S5ⅡXがやってきて、9ヶ月。

写真でも動画でもそこそこ使ったので、そろそろ、このカメラの感想を書いてもいいかなと。
結論から言うと、道具としては非常に役に立っている。
"道具としては"
購入経緯
事の始まりは一昨年の姪の誕生日会。
バースデーケーキのロウソク消しをふと思いつきで動画撮影してみた。
使ったカメラはKP。フルHD 60iしか撮影できないヘナチョコだが、それでも一眼で撮影する動画はそれまでの記録動画とは一線を画していた。
「ちゃんとした動画機で撮影したら、どうなるんだ...」

そこから2年近い月日を経て昨年末、大きい仕事獲得のご褒美にS5ⅡXを中心としたシステムを購入した。
Very Good
AFが隔世の性能
長らく画質面のメリットからコントラストAFを採用してきた、パナソニックだがS5Ⅱ/S5ⅡXで初めて像面位相差AFを搭載。
このトレンド外の機構を粘り強く採用しながら、最後は折れちゃう感じ、どこかで...(やめなさい)
初採用機ということもあり、その性能は先行するソニー機と比較すると1世代ほど劣るらしい。しかし、ジュラ紀のAFを使用していたPENTAXユーザーからすると隔世の性能である。

PENTAX機で1番AFが優秀なK-3Ⅲでも動体撮影はエリアを絞り、カメラを振る必要があった。
それがS5ⅡXなら、フルエリアで被写体認識をONにすれば、あとはよろしくで済む。

その有効性は動体に限らない。
ロードスター撮影の際、これまではモニターでAFエリアを車の位置に合わせて撮影していたが、今は被写体認識を車に設定するだけだ。必ず合うのでピント確認の手間もない。

そして、なんといっても瞳AF。
今では当たり前の機能となったが、こっちはそれこそ目ん玉落ちそうな驚き。
これがなかったら、果たしてポートレート撮影にチャレンジしたろうか...。

さらにさらに、瞳AFは動物にも対応。
PENTAX機では動き回る動物にピントを合わせるだけでも一苦労だったので、躍動感のある動物の写真はあまり撮れなかった。それがS5ⅡXなら朝飯前で瞳にピントが来る。
人類の進化についていけません。
かっこいいオールブラックボディ
S5ⅡにはS5Ⅱ無印と動画機能向上版であるS5ⅡXがある。
当初、性能面では無印で事足りるのでは?という気持ちもあったが、最終的にはXに。
その理由がこのマッシブで通っぽいオールブラックのボディだ。

K-3Ⅲのジェットブラックほど徹底されているわけではないが、それでも特別感は凄い。
Recの赤ボタンがアクセントになっているのもいい。
また、本体が完全な黒なのでレンズのデザインが映えるのもグッド。
LUMIXは全般的にゴツゴツしたデザインで、そこはかとなくPENTAXみがある。
メイン機に頼りがいを求める自分にはその点もマッチした。
写真でも遊べるリアルタイムLUT機能
S5Ⅱ/Xの目玉機能がLog撮影時にLUTを適用しながら、撮影できるリアルタイムLUTだ。
LUTは動画向けのピクチャーコントロールとかカスタムイメージとか要はカラーイメージのこと。
もちろん、動画に使うのも有用なのだが、ポイントはこれを写真でも使えること。

LUTは動画編集ソフトで自作できるほか、Panasonicも色んなフォトグラファーが作成したデータを公開している。
つまり、無限に色遊びができるということだ...!
LUTが適用された写真は撮って出しになるが、その方が遊びというライトなイメージに合っているだろう。
外付SSDに対応
購入前は別にそこまで...と思っていた機能がコレ。

S5ⅡXが無印から向上している機能に外付SSDの対応がある。
128GBのSDCXカードを使っているし、使うかな?と思っていが、意外にも重宝している。
うちは時々、撮影のボランティアやアルバイト的なことをしているのだが、スピーチなんかは動画撮影した際に結構な容量を食う。
普段の風景やお祭りの動画ならともかく、イベントの撮影は「容量足りなくなりました」というわけにはいかないので、かなり助かっている。
Good
優れたコストパフォーマンス
S5ⅡとXが登場時、レンズキットの安さに加えて、バカお得クーポンも発行されたため、本体は実質20万以下とかいう、衝撃のコストパフォーマンスを誇った。
しかし、クーポンは当然終わるし、人気機種ということもあって中古相場もそこまで下がらず、結果的に今は良コスパくらいに収まっている。
特にスチル面ではS5Ⅱを大きく凌ぐ、ニコンZ5Ⅱの登場が大きい。
こちらはバーストも手ブレ補正もレフ機末期のミドル〜フラッグシップクラスの性能でありながら、本体25万以下で購入出来てしまう。
ただし、S5ⅡXのような動画性能だけ向上したミドル機の方は未だ珍しく、その点では強みが健在だ。
ミドル機とは思えぬ動画性能
肝心の動画性能はさすがのパナソニック。
まず、先述したように外付SSDに対応。さらにそれを使用することでProres 4:2:2で撮影が可能。動画フォーマット自体も豊富。
機構面でも冷却ファンを内蔵しており、長時間の撮影に強い。
フルサイズのHDMIを搭載、6K 3:2のオープンゲート。
とにかくミドル機とは思えぬ次元の充実っぷり。
で、なぜVery Goodじゃないかと言うと、そのほとんど使いこなせていないから。
そう、わたしが悪いのだが、使えてないので便利かどうかを語れない...。
試しに動画をアップするけど、そのクオリティとかはその...目を瞑っていただけると...。
動画制作は依然、迷走中。
豊富なボタンカスタマイズ
S5Ⅱ/S5ⅡXのカスタマイズ可能なファンクションボタンは何と13個!


割り当てられる機能も多く、動画も写真もやる役割の多いカメラながら、細かく設定すると中々使いやすくなる。
ただ、逆に素の状態はかなり使いにくい。
素に近い状態でも片手完結可能だった、PENTAXに慣れている自分としてはウエッとなるレベル。届いて1時間半くらい調整した。面倒だった。
Not Good
RAW連写時に12bitに落ちる
登場当時から動画性能と比べるとスチル性能は何か?だった。
特に話題にもなった連写時に12Bitに落ちるのは意味がわからん。

わたしの場合は、連写=そこまで広いダイナミックレンジはいらない、なので影響はそうでもないが、データが扱いにくくなるので、モヤモヤはする。
Bad
動画撮影を邪魔するバリアングルの設計
結構許せないのが、バリアングルの設計。

写真だけならともかく、動画を取る場合、このようにマイクケーブルやSSDのUSB Cケーブルと干渉する。
この状態だとチルトがままならないため、ほとんど意味がない。
当然、レンズ側に向けてもケーブルが邪魔。
そもそもだが、バリアングルによるセルフ撮影とかって、このカメラでどれほど需要があるのだろう。
かと言って、バリアングルチルトはさすがに贅沢なのはわかる。だから、黙って普通のチルト液晶にしてほしかった。
シャッターフィールが気に食わない。
そしてこのカメラの致命的なポイントが「写真撮影が楽しくない」こと。
あまりに便利すぎるEVFやAFも答え合わせの楽しさやゲーム性を損なっているとは思うが、そこはそうであることが価値でもあるから、しょうがない。
ただ、解せんのはシャッターフィール。
ポショみたいな気合の入っていない、シャッター音も半押しと全押しのやや曖昧な境界もとにかく微妙。
試しにK-3Ⅲ、K-1Ⅱとの比較動画を作ってみた。
画質があれなのはごめんなさい。
動画では「違うは違うけど、そんなに悪くないじゃん」と思うかもしれない。
でも、この動画は「静かな部屋で、マイクを近づけて」撮影したのだ。
風や虫の音など色んな音がする、反響しない自然空間で撮影すると、本当に微妙。
写真を撮っている、というよりスクリーンショットっぽい、と言ったら伝わるだろうか。
出てくる絵はとても素晴らしいが、この撮影感の薄さにより、スチルに関してはテンションが全然上がらない。
番外
グリップの握り心地だが、わたしはちょうどいい。
しかし、何度かブログにも上げたが、わたしの手は成人女性並と小さい。
それで「握った時にギリギリ、ホディに指の先端が当たらない」という具合なので、一般成人男性の手だとグリップの深さが浅いかもしれない。
分からないので、番外。
まとめ
最後の方はめっちゃ辛口になってしまった。
冒頭に書いた「道具としては役に立っている」とはこのことで、つまり、「道具としては役に立っているが、カメラとしてはどうだろうね」みたいな気持ち。
基本性能は明らかにPENTAX機より上なのだが、撮り心地の1点のみで結局、スチルは今もPENTAXが中心だ。
もっともS5ⅡXは動画撮影、ポートレートやイベント撮影などやり直し出来ない&しにくい撮影に使うのが目的であったため、「道具として役に立っている」時点で花丸蝶々付きではある。
道具としての活躍が必要な機会はこれからも増えていくと思われるため、S5ⅡXの果たす役割も大きくなっていくだろう。
総じては購入して良かった、と思っている。ほんとだよ。
