MENU

めくるめく、麗しきスターレンズの世界

ありがたいことに以前、書いた「Limitedレンズの世界」が末永くアクセスいただいている。

 

seiranstudio.jp

 

ならばやらねばなるまい。

 

PENTAXの双頭、そのもう一方であるスターレンズの世界を。

 

 

 

ターレンズとは

そもそもスターレンズが何かと言うと、PENTAXの光学技術を結集したフラッグシップレンズのこと。

 

他メーカーで言うとソニーGMレンズ、キヤノンのLレンズなどだ。

 

他メーカーだとバッジやリングで上位レンズを表しているがPENTAXはその両方を使用。

 

しかもゴールド。少し派手に見えるかもしれないが、分かりやすく威張れるので、わたしは好き。★マークというのも洒落ている。

 

素晴らしい描写性能

スターの名は伊達ではなく、その描写力は極めて高い。

 

PENTAX K-1 Mark II HD PENTAX-D FA★50mm F1.4 SDM AW f/8 SS1/40 ISO400

 

抜けも解像感も非常に優れており、「力強く見せたい」「繊細に見せたい」のような撮影者の意図をダイレクトに表現してくれる。

この素直さこそ、レンズ自体が味わいを付与するLimitedレンズとの違いだろう。

 

PENTAX K-3 Mark III HD PENTAX-DA★16-50mm F2.8 ED PLM AW 28mm f/8 SS1/100 ISO100

もちろん、その高いレンズパワーはズームレンズでも享受可能。

大口径のミラーレスマウントと比較すると周辺部の解像は苦手とするはずなのだが、最新のDA★16-50mm F2.8なんかは本当によく頑張っている。

 

まるでカメラ自体の解像度が向上したかのようだ。

 

PENTAX K-1 Mark II HD PENTAX-D FA★85mm F1.4 ED SDM AW f/1.4 SS1/3200 ISO100

線は細く、よく解像するレンズではあるがシャープすぎないのもグッド。柔らかさや優しさを感じられる。

 

圧倒的な質感と剛性

高級ラインのレンズらしく、筐体の質感も素晴らしい。

クラシカルなLimitedレンズと比較するとスターレンズは現代風。

 

ターレンズの証である金環と星の入ったバッジ、コーポレートカラーの緑をマウント部に配すデザインは概ね共通。

 

HD★は現代基準に合わせたレフ機の高性能レンズなので、とにかく重い。

しかし、それゆえに中身がみちみちに詰まっているのを感じられてありがたい。

 

 

また、単焦点DFA★50mm F1.4と85mm F1.4はフードを取り付けた際に境目に溝が出来ないように設計されている。

だから何だということはないが一体感があって良い。

 

優れた耐環境性能

ターレンズは通常レンズのWRと異なり、AW(All Weather)対応。

一段上の防塵防滴性能を有する。

PENTAX K-3 Mark III HD PENTAX-DA★11-18mm F2.8ED DC AW 11mm f/13 SS1/15 ISO100

実際、うちのスターレンズは軒並み、ハードな使われ方をしてきたが、全員ノートラブル。

 

 

砂まみれになったとは言え、こんな目にもあっている。それでも無問題。

最も、さすがにこんな洗い方するのは自己責任で。

 

こういう荒っぽい使い方はLimitedでは出来ないので、大変重宝。

 

過去のスターレンズについて

現行のスターレンズはHD DA★やHD DFA★など、2016年発売の70-200mmから始まるHDコーティングシリーズ。

 

一方、それ以前にはsmc DA★シリーズがあった。

うちにはsmc DA★55mm F1.4がある。この通り、基本デザインはHD★と同様ながら、フォントや加飾に時代を感じる。

 

PENTAX K-1 Mark II smc PENTAX-DA★55mmF1.4 SDM f/1.6 SS1/60 ISO400

性能的にもフリンジが出やすかったり、AFが酷かったり、故障が多かったりとクセが強く、現代基準では全く安定していない。

ただし、一度、シャッターをキレば未だに素晴らしい質感描写を発揮してくれる。

smc★は全て終売となっているが、程度のいい中古があったら、結構いい選択肢かもしれない。めちゃ安いしね。

 

※読者さんから、smc★300mm F4.0は現行とお教えいただきました!ありがとうございます!

ラインナップがしょぼすぎる

現行スターレンズは現在、単焦点が50mm F1.4と85mm F1.4、ズームレンズがAPS-C用の11-18mm F2.8と16-50mm F2.8、フルサイズの70-200mm F2.8。以上。

つまり、うちにある5本で全部だ。

 

開発リソースが少ないとは言え、このラインナップはしょべぇ。しょべすぎる。

 

特に大三元。他メーカーなら自社の高級ラインで固めるところ、PENTAXはフルサイズ用のうち、望遠だけスターレンズ。あとは自社レンズどころかOEM

APS-C用にいたっては超広角と標準はスターレンズだが、望遠は空席という有り様。

大三元が空席ってどうなっとんだい。

新設計の50-135mm F2.8を開発検討中ならしいが、すでに先代モデルがディスコンした状態で開発検討中って...。

 

PENTAXブランドが存続しているだけでヨシとすべきか。

 

小三元?知らない子ですね。

 

 

★ or Limited?

ではそろそろ、この禁忌の話をしようか。

そう、スターレンズとLimitedレンズ、単焦点を買うなら一体どっちにすべきか?だ。

 

結論から言うと個人的にはLimitedかなと思う。

特に FA Limitedは十二分すぎる解像感にコンパクト且つ美しい筐体、味わい深い描写と単焦点レンズの楽しさが全部盛りになっている。

 

 

一方、スターレンズの単焦点は可搬性も低いし、運用も保管も大変だ。

価格も基本的にはスターレンズの方が高い。

 

PENTAX K-1 Mark II HD PENTAX-D FA★50mm F1.4 SDM AW f/4 SS1/50 ISO400

なので、どっちを買うべきかと聞かれればLimitedレンズ。

だが二言目には後でスターレンズも買った方がいいよ、と主張したい。

 

作品撮りに役立つのはもちろんだが、巨大で重量のある決戦兵器を使っているという手応えはなかな楽しいものだ。

みんなエヴァヤシマ作戦好きでしょ?

 

それにわたしみたく、デカい前玉が好きって言うバカにもいい。

K-1ⅡやK-3Ⅲには誂えたような似合いっぷりで、ここからしか得られない栄養も間違いなくある。

 

なので、スターレンズもLimitedレンズもどっちも買った方が心穏やかに生活できる。

 

Limitedレンズはともかく、重量級のスターレンズは歳を取れば運用も辛くなるだろう。

"いいレンズはいい歳のうちに"、福沢諭吉も言ってた気がする。