しばらくの間、慣れも兼ねてS5ⅡXを重用していたが、最近はその反動でPEN-FやKPっていいな期が来ている。
発売から10年近く経っているカメラだけに性能的な見劣りは否めない。
ただ、画素数は現代のカメラとほとんど変わらないため、データ自体は十分に魅力的だ。
単なるノスタルジーだけではなく、しっかり戦力とカウント出来るのだから、強力。
それに1枚1枚撮るのに手間がかかる、手間をかけられるのもいい。
たとえばPEN-F。
クリエイティブダイヤルで自分が思い描いているイメージに近づけられるよう調色する。
露出やホワイトバランスも確認し、いざ撮影と思ったら、AFがあらぬところに行くので、ピント位置を調整する。そこまでしてようやく、あの小気味いいシャッター音が響く。
KPもAFが怪しいし、背面液晶の解像度は低いので、ピントが合っていたかを都度確認している。
でも、そういうカメラを使うことで"まだタクトは自分にある"と感じられるのかもしれない。
わたしの撮影スキルは決して高くないが、KPやPEN-Fならギリギリ互いに迷惑をかけたり、かけられたりしながら付き合える。
その50:50が心地いい。
繰り返しみたいになるが、それでいてデータは古臭くない。
このレンズも久しぶりに使ったけど色の乗り方も質感もとても素晴らしい...。
これはこれをやった人がすごい。
以前、ロードスターの積載量のことを「これに載るくらいの荷物量が生きていくにはちょうどいい」と表現している方がいた。
自分は全く程遠い物持ちなのだが、素直に憧れる生き方ではある。
カメラもKPやPEN-Fのような"必要十分だけど、でもちょっと不便"なくらいがカッコイイ付き合い方なのかもしれない。
今日はそう思う。今日は。