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HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WR

相変わらず、レビューのエントリーが圧倒的に不足しているので、2連チャン。

 

今回ご紹介するのはKマウントで唯一のフルサイズ用大口径超広角ズーム。

 

HD PENTAX D FA 15-30mm F2.8 ED SDM WRだ。

 

 

 

購入経緯

購入は5年前。K-1Ⅱでのフルサイズデビューと同時。

フルサイズで使用できる、超広角ズームの選択肢がこれしかなかったので、迷う余地なし。

 

また、当時はダイナミックな写真が撮れる、超広角という画角をとても気に入っていたし、フルサイズ=星景撮影みたいなイメージもあったので、明るい超広角は絶対に必要だった。

 

このセットで踏みとどまっていたのなら、と思うことも多いが、実際にはむしろ引き金だったのよね。

 

Very Good

ターレンズもかくやの描写力

PENTAX K-1 Mark II HD PENTAX-D FA 15-30mm F2.8ED SDM WR 15mm f/14 SS1/320 ISO100

描写力は極上。

中央部あたりはとても精細で、周辺部もよく解像しており、全体の抜けもいい。

色乗りもややしっとりしており、非常に好ましい。

 

PENTAX K-1 Mark II HD PENTAX-D FA 15-30mm F2.8ED SDM WR 15mm f/5.6 SS1/125 ISO100

作例として過去写真を掘り出すにあたっても、良さげなのが多くて迷うほど。

K-1Ⅱの印象的な写真の多くがこのレンズで撮影されている。

PENTAX K-1 Mark II HD PENTAX-D FA 15-30mm F2.8ED SDM WR 15mm f/2.8 SS30 ISO3200

このレンズに期待していた星景撮影のシーンでも大活躍。

歪曲は十分、補正可能な領域に収まっているし、四隅も流れてはいるが、破綻してはいない。

 

DFA24-70mm F2.8と同様、このレンズもタムロンOEMという出自のため、★を冠してはいないが、その描写力は紛れもなくスター級だろう。

 

K-1Ⅱにとても似合う

レンズ単体の見た目はわりと凡庸だが、K-1Ⅱとのマッチングはとてもいい。

デザインが平凡でも前玉が大きいのはすべてを解決する。

 

なにをかくそう、このレンズこそがわたしを「K-1Ⅱに大口径レンズを組み合わせたい沼」にハマらせた大罪レンズ。

大きくて立派な前玉のレンズを付けて、さも一味違うカメラマンのように振る舞いたいというエグい沼にハマったのはこいつが悪い。わたしは悪くない。

 

飾り気がない分、むしろ硬派なギアっぽさがあると言えるかも。

どう?なかなか絵になるでしょ?

 

Bad

可搬性が低い

DFA15-30mmは高い描写性と硬派な見た目に魅力を全振りしている極端なレンズで他の要素を見ると欠点が多い。

まずもって、そのデカさ。うちのレンズでは三脚座がつくような望遠レンズを除くと最大。

 

そのデカさが特に悪目立ちするのが収納時のサイズ感。

APS-C用の超広角ズームであるDA★11-18mm F2.8と比較すると一目瞭然だ。

 

なので、可搬性がとにかく低い。カメラバッグに縦に入れるとこの通り。尻隠して頭隠さず。

これでもうちのバックライトはなぜかジッパーがしまってくれるから助かるが...。

 

エンデュランスだと寝かせざるを得ない。レンズ2本分のスペースをとっちゃう大食い。

 

 

この可搬性の低さゆえ、DA★11-18mm F2.8とK-3Ⅲを購入して以降、めっきり出番が減ってしまっていた。

F2.8通しのフルサイズ用超広角ズームにとってデカいのはお約束だが、このように代替レンズがあるとデメリットが目立ってしまう。

 

いちおうフォロワーしておくとフードを付けた状態だとDA★11-18mm F2.8とあまり差がない。つまりデカいといっても問題になるのは可搬性の部分だけってこと。

 

ちなみに重量は1040g。DA★11-18mm F2.8はフード込みで739g。

超広角ズーム自体、カメラに装着したまま長時間行動することは少ないが、登山は別。

一度だけ、DFA15-30mmを山に持って行ったことがあるが、その時は重量の面でもちょっと厳しいなと思った。

 

DA★11-18mmも重量は感じるが無理していると感じたことはない。

 

出目金レンズのため、円形フィルターが使えない

DFA15-30mmは前玉が球状にせり出した、いわゆる”出目金レンズ”。

このため、円形フィルターは使用できない。

星景撮影時にソフトフィルターや光害除去フィルター、風景撮影時のPLフィルターにハーフND。超広角ズームに使用したいフィルターは数多くあるだけに痛いところ。

この点でも円形フィルター使用可能なDA★11-18mm F2.8の使いやすさが際立つ。

 

DFA15-30mmも角型フィルターを使えばいい話だが、あれは値段が高いし、取り回しも悪くなるしであまり気が進まない。

 

 

この出目金についてもF2.8通しフルサイズ一眼レフ用超広角ズームではお決まりだったのだが、フルサイズミラーレス用レンズがこの問題をクリアしたため、現代の基準で見ると設計の古臭さは否めない。

 

ちなみに出目金レンズはゴースト耐性にも難があるものだが、なぜかそっちはあまり感じたことがない。

 

まとめ

ここまでの話の流れだと「ということでドナドナすることにしました」と言い出しかねないが、実際はその逆。

 

PENTAX K-1 Mark II HD PENTAX-D FA 15-30mm F2.8ED SDM WR 15mm f/2.8 SS60 ISO800

最近、ちょぼちょぼと出番が増えてきている。

カメラバッグをバックライトにしたら、立てても入るようになったとか、K-1ⅡにGrad ND入れたから、とかそういう事情もあるが、1番はやはり写りが好きだから。

 

PENTAX K-1 Mark II HD PENTAX-D FA 15-30mm F2.8ED SDM WR 15mm f/20 SS1/4 ISO100

正直、精細さやパースといった描写の特性だけ見たら、DA★11-18mmより気に入っている。

言うなれば、DFA15-30mmをなんとかして使えるシーンを増やしたい、という気持ちがあったからこそ、カメラバッグを買い替え、Grad NDをインストールしたのだ。

 

このレンズを装着してファインダーを覗くと楽しい、このレンズで写真を撮るのが楽しい、だから、不便でも使いたい。DFA15-30mmはそういうレンズ。