「DAレンズの実質的小三元」
SNSでDA16-85mm をそう評している方がいて本当に言いえて妙だと思った。
選択肢の乏しいKマウントレンズにあって比較的、豊富な標準ズームだが、その中でもこのレンズはベストバイ。
今回はそんな縁の下の力持ち、DA16-85mmをレビューしていこう。
購入経緯
K-3Ⅲ発表時、わたしが保有していたレンズで標準ズーム域をカバーしているのはキットと高倍率のみ。
そのため、描写性能の高い標準ズームを新たに購入することは早い段階で決めていた。
そのポイントをふまえ、DA16-85mmとDA20-40mm Limitedでだいぶ悩んだが、最後は登山使用時の汎用性をとってDA16-85mmを選択。
結局、その後、DA20-40mm Limitedも買っちゃっうのだが、それはそれ。
Very Good
優れた画質
1番、期待していた画質は期待通りのものであった。
描写の傾向はとても現代的で、キリッとした解像感と抜けの良さが光る。
スターレンズやDA Limitedと比較すると少し線が太いというか、カリカリしている印象はあるが、それだけソリッドな写りをするということ。
遠景も見事で周辺部の画質も悪くない。
荷物が制限される登山ではスターレンズのような大きいレンズは持ち出せないので、見劣りを感じさせないこの描写力にはとても助けられている。
明るいレンズではないが、ボケ自体は比較的整っており、素直な方。
収差もしっかりと抑えられており、逆行耐性や歪曲も気になったことがない。
とにかくスキのない優等生くんだ。
絶妙なズームレンジ
フルサイズ換算24mm-135mm相当のズームレンジは使ってみると、実にちょうどいい。
ワイド端から
テレ端。
135mmってイメージ以上に切り取れる印象。
PENTAX純正だと換算28-200mmのDAレンズもあるが、個人的にはこれくらいのズームレンジがあれば十分なので、あとは画質を優先したいところ。
驚異のコストパフォーマンス
このレンズもPENTAXのミドルグレードレンズの例に漏れず、馬鹿みたいにコスパがいい。
新品は5.5万円、中古だと4万円以下あたりが相場。
他メーカーの似たようなレンズと比較すると半額近い。円高に苦しむ庶民の味方。
Good
安心の簡易防滴
WRなので防塵はついていなが、簡易防滴には対応している。
登山時に天候が急変し、防滴じゃないレンズが気になってずっこける、ということが過去にあったので、こういう安心感は大事。
K-3Ⅲとのマッチングがなかなかいい
筐体自体は他のミドルクラスレンズの例に漏れず、凡庸。すでに発売から10年経過しているだけに若干、古臭い。
しかし、K-3Ⅲとのマッチングは良く、サイズ感がちょうどいい。
前面のガラスが大きいのもGood。
また、PENTAXのミドルクラスレンズはズーム時に露出する鏡筒部もプロット塗装されているのが好き。
ここがプラスチック丸出しだと「せっかくそこそこのお金払ったのに」とちょっと興醒めしちゃうからね。
ちなみにKPだとこう。
悪くはないけど、やっぱK-3Ⅲの方が似合うかな。
Not Good
携行性があまり良くない
ここまであれこれ褒めちぎってきたが、実はこのレンズ、登山時以外はほとんど使用していない。
その理由がこれ。
左がDA16-85mm、右がDFA28-105mmなのだがフィルター径が明らかに大きい。
換算焦点距離がワイドもテレも広いのだから、大きくなるのも当たり前なのだが、APS-C用レンズであることを考えるとちょっと残念。
フィルター径が大きいとカメラバッグに入れた際、スペースを食うため、結果としてDFA28-105mmを持ち出すことの方がずっと多くなってしまった。
もっとも、実はレンズ先端の径が大きいだけで鏡筒部は長さも太さもあんまり変わらないんだけどね。
すごく惜しい。
F4通しだったら...
まぁサイズはこのままでもいいから、F4通しで本当の小三元だったなら、とはよく思う。
もしこのレンズを緑帯でリファインする時は是非...。
まとめ
たしかに出番は多くないレンズだが、登山含めフィールドで使う標準ズームとしては1番頼りに
している1本ではある。
画質や汎用性といったメリットが力強く、大きいと言ってもスターレンズほどではない。
そして、何と言っても抜群のコストパフォーマンス。このレンズを多くのPENTAXユーザーがオススメしているのも納得だろう。
思い出に残るシーンを数多く記録してきた、頼れるパートナー。
これからも長い付き合いになるはずだ。