2016年、PENTAXがK-1を引っさげてフルサイズ一眼市場に打って出た。
しかし、悲しいかな、そこはPENTAX。開発資金は大御所に比べると雀の涙。花形の大三元レンズのうち、超広角と標準域はタムロンさんの世話になるほかなかった。
そんな中、2本のレンズに注ぐはずだった愛と情熱を(たぶん)一身に受けて誕生したのが
大三元唯一のPENTAX製、HD PENTAX-D FA ★70-200mm F2.8 ED DC AWだ。
「先代ブログで雑に書いたレビュー記事の書き直し」第4弾(?)はこのレンズで行く。
Very Good
開放から圧倒的な描写性能
DFA★70-200mm F2.8を迎えたのは今から約3年前。
DFA28-105mmやDFA150-450mmと言ったデジタルフルサイズ一眼向けに開発されたズームレンズ郡の描写力は十分驚くべきものだったが、初めて手にしたスターレンズはワケが違った。
ピント面は開放から圧倒的な解像感。まるでK-1Ⅱより上の高画素機を使っているかのような精細さだ。
すでに保有していたFA Limitedの単焦点と比べて劣らないどころか何なら勝っているように個人的には思えたほど。
こと動物を撮るとその良さが際立つ。毛の1本1本まで写し出し、まるで浮き上がっているかのような立体感を醸してくれる。
うっとりするようなボケの美しさ
前ボケから後ボケまで、パーフェクトなボケ感。背面がざわつきそうなシチュエーションもなんのその。その滑らかさ、とろけるプリンの如し。
柔らかな画作り
何かの記事でDFA★70-200mm F2.8は他メーカーの高性能レンズでトレンドだったカリカリ解像感マシマシ描写より柔からで優しい描写を開発段階で意識した、と書いてあった気がする。夢かもしれない。
他メーカーの同等品と比べたことがあるわけではないが、実際、このレンズは高次元で柔らかさと精細さのバランスを実現していると思う。
しっかりと解像しているのに毛のふわふわ感も伝わってきそうじゃないですか。
剛健でかっこいい
我が家では未だ唯一無二のスターズームレンズ。
かのフランク王国の英雄、カール大帝が携えていた宝剣ジョワユーズのように荘厳かつ豪奢な佇まい。見たことないけど。
インナーズームなのでいかなる焦点距離でもその端正さが欠けることはない。
三脚座のクリック感、ズーム・ピントリングの滑らかさ、チリ合わせ、どれを取っても非の打ち所がなく、その剛性感・工作精度たるや半端ではない。
畑に野菜泥棒が来たら、DFA★70-200mm F2.8で戦うと決めている。やつらにはジャガイモ一つ渡しはしない。
Good
上々な逆光性能
逆光性能も上々ではないかな。若干、コントラストが落ちているように感じるシーンもあるけどゴーストやフレアの耐性は申し分なく、スターレンズは伊達ではないと感じさせてくれる。
安い
安い、というのは語弊かもしれないが、他メーカー同等品と比較するとかなりお求めやすい。
ニコンやキヤノンの70-200mmF2.8が30万近いのに対し、DFA★70-200mm F2.8なら20万切った価格で購入できる。
向こうはミラーレス用で設計も最新の最新だから当たり前なんだけど、PENTAXユーザーとしては助かることに間違いはない。
どこぞの雑誌がこき下ろした末に30万円もするとモリモリにホラ吹いてたこと、絶対忘れないからな。
Not Good
重い
他メーカー同等品より安いかわり、他メーカー同等品より300g程度重い。
装着することの多いK-1Ⅱも軽いカメラではないので、300gは大きい。
おかしいな、レンズは重くなるほど高くなるはずなのに。
まとめ
重さを抜きにすれば、写りも全幅の信頼がおけるパーフェクトな望遠レンズ。
この1本があれば中望遠〜望遠域の単焦点は不要と言ってしまっても過言ではない。そう考えると余計に凄まじいコスパだ。
PENTAXユーザー、特にK-1、K-1Ⅱをお持ちの方にはベストバイ。