昨年のはじめにFA43mm LimitedとDFA 21mm Limitedをお迎えしたことで、どの焦点域でも「必殺のレンズ」が出揃い、万全の体制となった。
かに思えた。
しかし事態は一変、新年早々、HD PENTAX-D FA★50mm F1.4 SDM AWを迎えてしまう。
本日はこんなことになった購入動機と初回レビューのお話お話。
購入動機
なぜ、「単焦点レンズは可搬性の観点から小型・軽量に限る」という聖域を犯したのか。
それは年明け、心機一転した気持ちでPENTAXのHPを見ていた時のことである。
D FA★50mmを着けたK-1Ⅱを見て、わたしはこう思った。
かっこいい、と...。
そう、単焦点は小型・軽量と思っていたが年が明けたら、それも心機一転してしまったのである。
しかもタイミングよろしくMap Cameraの夜市にこいつが登場してしまった。美品で付属品も箱も全て揃っていて、いつもよりかなり安い。天啓...!!
Very Good
かっこいい。
それ目当てに買っただけにK-1Ⅱとの組み合わせは鬼に金棒、石原さとみにチョコレート。
求めていた姿そのものだ。
DFA★のバッジが誇らしい。PENTAXが高級レンズラインを★で証しているの、洒落ていてとても好き。
KPにも着けてみた。やっぱ見た目の話だけで言うとK-1Ⅱのためのレンズだな。
圧倒的な描写性能
現代的な設計のレンズはPENTAXのモノも相当いいことはDFA★70-200mmやDFA21mm Limitedで体験済み。それが初めてのDFA★単焦点だもん。否応なしに期待値が上がる。
そのだいぶ上げたハードルをこのレンズは開放からクリアしてくれる。
しかも、現代のレンズ風にカリカリに解像するのかと思いきや、繊細さと柔らかさを兼ね備えた解像感。
なんだそのドーナッツ食べながらブラックコーヒー飲むみたいな完璧な甘苦バランス。
もちろん絞れば遠景までクリアな画が得られる。いやしかし抜けの良さよ。
うっとりするようなボケ
買う前から散々良いとは聞いていたけど、ボケは極上。
前も後ろも自然で玉ボケもきれい。うちのレンズでは文句なしに最高の1本。
Good
デカくて重い
重量910g、全長10.6cm。いつもなら明らかにBad項目のサイズと重量。
しかし、全ては覚悟の上。この重みさえもありがたい。
フード着けるとこれである。K-1Ⅱと足して約2キロ。鈍器。
昨日は数時間、これをぶら下げてお写歩したが首が千切れるかと思った。
ただし、そこそこの長さと径のおかげで手持ちしているとハンドリングは良好。重量比もいい感じで撮影自体は快適。
ちょうどウチにはご先祖様のPENTAX-M50mm F1.4があるのだが、それと比較すると歴史の重みを感じる。物量で。ちなみに先代のFA50mmは持っていないが、仕様を見る限りでは似たようなサイズ感。
DA★55mm F1.4との比較ではこう。DA★55mmはフルサイズで使えなくもないので、比較してもバチは当たらんでしょう。
こうして見るとデザインは現代風にスッキリしながらも基本は踏襲していることが分かるね。
AFが速い・静か
想像以上に速く、そして静か。
こういうAFとしては面倒くさいシーンもスッスッと合焦していた。
もちろん、QSF対応なので気に入らなければサクッと調整できる。
標準レンズでもAF速いとやっぱテンポ良く撮影出来るからいいもんだね。
安心の防塵防滴
PENTAXのスターレンズよろしく防滴仕様。WRではなく、AWなので防塵にも対応している。
今時期だと屋根から雪解けの水がボタボタこぼれてきてカメラにかかったりするので、やっぱあると安心よね。
Not Good
やっぱ重いかも
悪い、やっぱ重ぇわ...
番外:DA★55mm F1.4との比較
DFA★50mm F1.4の半額以下で購入できて、かつフルサイズでも使えるDA★55mm F1.4。
これと比較すると、どうなのか写真付きでちょっとご紹介しよう。
まずは開放...と思ったら、なぜかちょっと絞ってますね。ご勘弁。
DFA★50mm F1.4、先述したように素晴らしい解像力と繊細さですね、はい。
そんでDA★55mm F1.4。正直、ピント面の解像力と線の細さはドッコイかも。
ボケを使うシーンであれば差はAF速度くらい。(そのAF速度が雲泥の差なんだけど)
次に遠景。ピントは遠くの重機に合わせている。
開放で遠景を撮影するとピント面でかなり差が出る。あとDA★55mm F1.4はケラレているんじゃないかってほど周辺減光している。
F2.8に絞るとDA★55mm F1.4も解像がかなり追いつく。周辺減光はそのまま。
F5.6まで絞るとDA55★mm F1.4の周辺減光もかなり改善。解像感もいい線行っている。
ちなみにAPSのK-3Ⅲでも同様のテストをしたが、こちらはほとんど差がなかった。
つまり、DA★55mm F1.4は恐るべきコスパレンズでAPSならベストチョイスだろう。
フルサイズの場合はDFA★50mm F1.4の方がさすがに安牌だが、DA★55mm F1.4でも大概のシーンは満足して使えそう。
星景撮影にも使うとかだと周辺減光がマイナスに目立つだろうから、その場合はDFA★50mm F1.4の一択かな。
まとめ
記憶が正しければDA★55mm F1.4を購入した時、フルサイズの標準レンズもこれでいいだろうと考えていたはず。
それがその1年後にはFA43mmをそして2年後にはこのレンズを買ってしまった。
自分以外にこれほど意志薄弱な男を見たことがない。
しかし、要はどの機材もバランス良く活用すればいいのだ。
DA★55mmはK-3ⅢとKP用とし、FA43mm Limitedは夏秋のコントラストが美しい時期に頻用し、DFA★50mmで桜と星を撮ればいい。
その中のどれかがなんやかんやに使われて、周りにキャーキャー言われて、こんな素敵な写真を撮る殿方♡ってんで嫁さんが出来れば誰も文句言わんだろう。やってやらぁ。