ちょっと久しぶりになった機材レビュー。取り上げるのはこちらの大物。
HD PENTAX-DA★16-50mm F2.8 ED PLM AWだ。
購入経緯
明るい標準ズームを欲していた理由は過去に何度か話したが、取りまとめると次の通り。
①単焦点を付け替えては撮影、付け替えては撮影、という機会が多くて面倒。
②田代島のねこ撮影の際、単焦点を付け替えている余裕がない。でもボケはほしい。
③さんさ踊りの時にシャッタースピードを稼げないので、明るい標準ズームがほしい。
要は「標準ズーム域で明るさが欲しいシーンでは単焦点を使っていたが、それではカバーできないシチュエーションが増えてきた。あと面倒」ってこと。
ただ、当初はよりボケを得られるように明るい標準ズームはフルサイズ用のを購入する予定だったが、なぜか一緒にAPSのDA★16-50mm F2.8まで買ってしまった。忙しい時期だったから、冷静な思考能力が低下していたのかも。
Very Good
圧巻の描写力、抜群の安定感
勢いで買ってしまったようなDA★16-50だが、実際のところ、本命のDFA24-70mmよりも多用している。
その要因が圧倒的な描写性能だ。
抜けの良さ、解像感がとても素晴らしく、カメラ自体の画素数が上がったかのようだ。
DFA★70-200mm F2.8を初めて使った時もズームレンズとは思えない描写に驚いたが、その感動が再びって感じ。
ちなみに収差もほとんど見られない、化物レンズ。
このレンズが素晴らしいのは中央部はもちろん、周辺部の画質も非常に安定していること。
これと似たような写真をFA 43mm Limitedで撮影したがロードスターの鮮明さはこちらの方が良い。
周辺部はどうしてもミラーレスに劣るレフ機のマウントでここまでの画質をズームレンズで実現してきたのはかなりの驚き。レフ機用の標準ズームとしては最高峰かもしれない。
かっこいい&K-3Ⅲとのフィッティングよし
大きいレンズなので購入した時はK-3Ⅲに「付けられている感」があり、イマイチ似合っていないと思っていたが、イヤイヤ見慣れてくると意見も変わるものだ。
めっちゃかっこいいな!!
実際、振り回してみてもカメラとのバランスがいいため、フィッティングの良さを感じる。
やはりK-3Ⅲのために作られたレンズなんだな。
フードを付けた状態だとこう。ただならぬ感じがしませんか。
スターレンズは金環が付いている分、他メーカーのフラッグシップレンズと比較すると派手すぎるように感じる人も多いかもしれない。
ただ、わたしは周囲にスターレンズを使っていることをひけらかしたいアホなので、全然OK。
なんなら、もっと派手でもいいぞ。
もちろん★バッジもこの通り。最高だぜ。
なだらかで自然なボケ
開放F.28とは言え、APS-C用レンズのため、実際の被写界深度はF4くらい。
元々はこれがネックだったが、使ってみると全然気にならない。
ボケの絶対量は確かに多くはないが、アウトフォーカスからとても滑らか且つ自然で印象がとてもいい。
当然のようにピント面はバチバチに決まっている。
パルスモーター駆動の爆速AF
DA★16-50mmはDA55-300mm以来となる、パルスモーター駆動のレンズ。
標準ズームでその恩恵って感じるかな?と思っていたが、感じてます。ビシビシと。
静物を撮るにもAFが速くて正確だと撮影のテンポが良くなるので、楽しいんだよね。
ペットやお子さん、モデルさんの撮影なんかを主としている方なんかには余計ありがたいはず。
Good
便利なズームレンジ
16−50mmのズームレンジはAPS-Cの大三元標準ズームとしては一般的なのだが、使ってみるとこれが結構ちょうどいい。
ワイド端18〜20mmって「あともうちょっと欲しい...!」となるシーンが多くて、その点、16mmスタートはまさにかゆいところに手が届いている気持ちよさ。
意外だったのはテレ端。DA16-85mmに慣れている身だと50mmがテレ端ってどうなの?
と思っていたが、これはこれで全然不満がない。
フルサイズ換算だと77mmくらいと一番好きなFA77mmと同じになるので、それが効いているのかも。
登山のように持参できるレンズが限定されるシーンでは不足を感じるかもしれないが、そういう使い方をする予定はないので個人的にはOKだ。
ズーム・フォーカスリング滑らか
ぬうぅぅぅ〜と回る。やみつきよ。
Not Good
さすがに大きい、が...
APS-Cの標準ズームとは思えないタッパ。
レンズ単体はフルサイズ用のDFA24-70mm F2.8よりデカい。
それぞれをK-3Ⅲ、K-1Ⅱに装着してようやくイーブンという具合。
DAの小三元枠ことDA16-85mmと比較すると一目瞭然。
重さも712gと489gなのでだいぶ違う。
ただし、フォローできるポイントもある。それが太さ。
フィルター径はDA★16-50mmが77mm、DA16-85mmが72mmとあまり差がない。
フルサイズのDFA24-70mm F2.8は82mmなのでDA★16-50mmの方が小さい。
カメラバッグに入れる時は大きさよりも径の方がスペース専有への影響が大きいため、実はそんなに可搬性の悪さを感じないのだ。
DA16-85mmを持っていけるスペースがあるならDA★16-50mmも持っていけるってこと。
重さはいかんともしがたいけど。そこは根性。
インナーフォーカスじゃない
と言っても、これはわたしの勘違い。漠然と「大三元ズーム=インナーフォーカス」が基本だと思っていた。
DFA24-70mmも繰り出しだし、他メーカーもインナーフォーカスじゃないのがたくさんある。全然知らなかった。ごめんなさい。
繰り出し度合いはこう。あんまり伸びない。
先述したようにズーミングは実に滑らかなので、特別感・優越感には影響ない。
まとめ
単焦点を重用するようになって以降、悪い意味で固執する癖が付いてしまった。
「どうせなら単焦点で撮ろう」っていう、例のあるある。
作品撮りならともかく、なんでもそうだと結局レンズ交換が面倒になってきて、撮らなくてもいっかってなることも多かった。
それが今はK-3ⅢにDA★16-50mmを付けっぱなしにしておけば、いつでも単焦点を忘れさせてくれる画をもらえる。趣味は写真撮影であってレンズ交換じゃない、ということを思い出したかのようだ。
そして最近はこれが習慣づいてきて、ズームレンズでも撒き餌レンズでも何でもいいから、とにかく撮ろう!となっている。
そう思うと安い買い物だった。