8/1〜4の4日間、盛岡では東北五大祭りの一角、盛岡さんさ踊りが開催された。
初日の熱気にすっかり当てられてしまい、結局全日見に行った。
今も太鼓と笛の音がどこからか聞こえる感じがするくらい絶賛さんさロス中だ。
さんさ踊りは概ね太鼓・笛・踊り手・歌い手で構成されている。
太鼓打ちにも女性がたくさんいるのは珍しいんじゃないだろうか?
額に汗し、踊りながら太鼓をバンバン叩く女性陣の輝きようと言ったら半端ではなかった。
もちろん男性陣も負けていない。めっちゃ楽しそうだ!
さんさ踊りの由来はこう。
むかーしむかし、盛岡に悪い鬼が現れ、暴れ回っていたらしい。
困った町人らは三ツ石神社の神様に鬼退治を祈願。神様は期待に応えて鬼を懲らしめ、二度と悪さをしないよう、三ツ石に手形を押させた。岩に手形。そう、岩手の由来。
これを喜んだ町人達が「さんさ、さんさ」と三ツ石の周りで踊ったことが始まりらしい。
掛け声の「さっこら〜ちょいわやっせ〜」のさっこらは幸呼来と書き、幸せを呼ぶって意味だ。ちょいわやっせ〜は知らん。ノリ。
さんさ踊りは企業や保存会、大学生や高校生、果ては幼稚園など様々な団体がパレードする。
盛岡市内の保育園や幼稚園のパレードを見てたら、わたしもJrが欲しくなってきた。
自分の血ひいたら絶対ヘタクソだろうな。
幼稚園の笛吹きをしていた、おばあちゃん、絶対ただ者ではない。
踊り手の人達もまた華やか。太鼓や笛の音に合わせて手をくるくるさせる踊りは結構難しそう。でもビタッと揃ってないといけない、みたいな堅苦しさはなく、なんだかのんびりしていて岩手らしい。
目線ありがとうございます!
迫力で言うと大学生グループが抜きん出ていた。
躍動感、掛け声の元気の良さ、見応えバッチリだ。
弾けるような笑顔が眩しい。男も女も関係なく、口をおっきく開けて笑える世界って素晴らしいと最近、特に思う。
こちらは岩手県立大学のグループ。こっちも元気いっぱい。
「えがお!」という掛け声をプラスしているのが、めちゃめちゃかわいかった。
あぁ大学生の孫がほしい。
岩手大学の勢いもすごかった。まさに意気軒昂。
前職の関係で大学生の子達には思い入れがある。知らん子達でも彼ら・彼女らが元気いっぱいに輝いているところを見るとうるっと来ちゃう。
ちなみに岩手大学はOB・OG連もパレードに参加していた。
現役に負けず劣らずの熱量だ。
大学卒業後も岩手に残り、さんさにも出てくれるなんてまさに地域の宝。
企業団体で特に凄いと思ったのはイオングループ。
まず参加者の数が桁違い。おまけに息もあってるし、バイタリティも大学生グループ並とあって沿道の観衆からも「すげ〜〜」と声が上がっていた。
めちゃめちゃきらびやかな集団が来たなと思ったら、歴代ミスさんさで構成された華の連というグループだった。
美しい舞に艶やかな和服、あそこだけハイライトが凄い気が。これがオーラというやつか。
続いては各地域の保存会が踊る、伝統さんさ。
企業や大学生グループと異なり、伝統さんさは団体によって演舞にかなり違いがあるようだ。
どの団体も個性豊かで見ていて楽しい。
特に魅了されたのは仙北小鷹さん。
スタイリッシュな衣装に渋い編笠、そしてダイナミックな踊り。ハチャメチャにかっこよくて、3日目なんかはパレードをずっと追いかけていた。
最終日は伝統さんさが輪踊りをするのだが、見てよ、この躍動感。痺れるぜ。
踊り子さん達も雰囲気たっぷり。小中学生くらいの子達も多かったが、まるで熟練者のように滑らかで艶やかな舞踊だった。
パレード終盤になるとおへれんせ集団がやってくる。
こちらは一般参加の集団で事前に申し込んでいた人達がちょっと練習してパレードに参加できるみたい。
黄色いタスキを付けた「おへれんせ師匠」は輪踊りの時に踊り方を教えてくれる先生でもあるらしい。
パレードの最後は青年会議所が練り歩くのだが、これには誰でも自由に参加できる。
日に日に参加者は増えていき、3日目にはこの盛況ぶり。
盛岡の人はなぜみんな、さんさを踊れるのだ!!と思ったら、小学校とかで練習するらしい。
家族や友人、恋人達が思い思いに楽しく踊っている。踊れるのも一緒に踊る人がいるのも羨ましい。
パレードが終わっても祭りは終わらない。
会場の中央通り5か所で今度は輪踊りが始まる。
真ん中で各団体の太鼓打さんや笛吹きさんが演奏して、周囲をこれまた自由参加で踊り回る。
老若男女も国籍も肌の色も関係なく、人々が輪になって楽しそうに踊る。
これが真の平和...!とちょっとうるっとしてしまった。
自由参加の輪踊りは今年4年ぶりに復活したらしい。
新型コロナウイルスの問題は完全に解決したわけではないが、それでもこういう日常が戻ってきてくれたことは本当に素晴らしいことだ。
みんなで同じことをする・同じ体験を共有できる、ということはきっと寛容で懐の深い社会作りに繋がっている。
世界中でさんさが踊られればいいのにな(極端)
今からもう来年の夏が楽しみ。
はやく、さんさの時期にならないかな!
各団体・実行委員会の皆様、最高の思い出をありがとうございました!