はぁはぁと息を切らしながらフィールドを歩いていく。
目に止まった美しい景色を前にカメラを構えてファインダーを覗き込む。
肉眼から違和感なく広がるファインダーの中の世界。
露光から撮影結果をイメージし、シャッターボタンに指を置く。
脇を締め、すっと一時、息を止めて集中。
その瞬間の静寂に「ファシャッ」と柔らかいシャッター音が響く。
ふぅと息を吐き出し、ファインダーから目を離す。
背面液晶に映る撮影結果に静かに満足する。
カメラをホルスターに引っ掛け、再び歩き出す。
「写真を撮る」っていいな、とほくそ笑む。