カメラ界のオカルト宗教みたいなブランドであるPENTAX(ひどい)。
そんなPENTAXのユーザーでも浮気を許されている(と個人的に思っている)カメラメーカーがある。
それがフジフイルムだ。
フジフイルムの製品展開を見ていると、そこはかとなくPENTAXと「同じ穴の狢」を感じてしまう。
例えばX-Proシリーズ。
背面液晶が通常使用時はボディ側に隠れているとかPENTAXより変態じゃないか。
普通に「売る」ということだけを考えていれば、そうはならんだろうという製品を出してくるのがとてもにくい。
X-E4もコンパクトさとデザイン性からスナップ用途で買おうか相当悩んだもんだ。あ、え、もうない...?この前出たばっかなような...
と思えばX-H2、X-H2Sのようにめっちゃ真面目なフラグシップを出したりもする。ハイレベル且つバランスの良いスペックに性能は最重要ポイントじゃない、なんて突っ張っている自分もだいぶグラっと来た。
チェキのようにカメラの間口を広げるような製品を出しているのも粋だ。
カメラ文化自体が危機に晒されている今日、チェキのようにシャッターを切る&紙媒体で思い出を保存する・共有するというカメラが根強く踏ん張っていることがどれだけ重要なことか。
そして目下、浮気しちゃおっかなと思っているのがX-T5。
Tシリーズは性能もさることながら、そのデザインと仕上がりの良さがとても魅力的。
T4もいいなぁと思ってYouTubeを見漁っていたけど、性能うんぬんより「使っていて楽しい」という声が多くて惹かれるものがあった。
Tシリーズは何が撮れるかというよりも、保有欲と特別な撮影体験を売っているんだと思う。
素敵なカメラで素敵な瞬間を切り取る、しかも高画質でAFもいい。Ultimate Cameraじゃん。
T5を買ったら、髪をめっちゃ伸ばして後ろで結って、ひげも生やして使い込まれたカメラバッグを中古で買って、ちょっとお高めのフランネルシャツと革ジャン着て京都に撮影しに行くんだ。
フジフイルムとPENTAXには「撮影体験を大事にする」「カメラ文化そのものを保全する」という似通った価値観があると思う。
ただ、フジフイルムはビジネスとしてカメラ事業を存続させるために「売りたいカメラ」と「売れるカメラ」のバランスを本当に上手に取っている。
プロモーションのセンスもカメラメーカー全体の中でも抜きん出ている。
PENTAXブランドはSTATEMENT発表を機に何か新しい船出に出た感じがあるが、願わくばフジフイルムのようにうまく立ち回れるようになってほしいな。
工房的なモノ作りやシェアを追わない政策もいいけれど、企業として利益を出し、存続し続けること自体からも目を背けないでくれたら嬉しい。