出会ったばかりの頃は全然好きじゃなかったのに、一緒に過ごすに連れて段々と気になってくる。
そんな経験、皆さんにもあるはず。
あぁもちろん、レンズの話ですよ。
DA★11-18mm F2.8はわたしにとってまさにそういうレンズだ。
スターレンズなのに「好きじゃなかった」とはなんたることか。
その要因は購入動機。K-3Ⅲ導入にあたって、超広角ズームは登山やフィールドで使いやすいよう、軽量で写りのいいF4通しが第一希望だった。
また、星景はフルサイズのD FA15-30mm F2.8があるため、明るさも不要。
しかし、そこはPENTAX。F4通しのレンズはあるものの古い設計でK-3Ⅲと合わせて使おうという気にはなれなかった。
つまり、用途的にはオーバースペックと知りつつ、DA★11-18mm F2.8しか選択肢がなかったのだ。
しょうがないと付き合い出したレンズだったが、約1年後の現在、うちのレンズではトップクラスに稼働している。
なぜなのか。前置きが長くなってしまったが、ようやくレンズの良し悪し、いや良し良しの話に入ろう。
Very Good
円形フィルターが使える
いつもなら「かっこいい」から始まる時間だけども、今回はまずフィルターワークだ。
フルサイズのD FA15-30mmは出目金のために角型フィルターしか使えない。それに対し、ワイド端を11mmと欲張らなかったDA★11-18mmは円形フィルターが使用できる。
PLフィルターやソフトフィルターはもちろん、特に恩恵を感じているのが円形のハーフND。
角型ではかなりの出費になるうえ、取り回しも悪い。その点、円形フィルターなら、かなりとっつきやすい。
しかし、円形フィルターなら元々ウチにあったシグマの10-20mm F3.5でも使えた。
じゃあ、そっちで十分だったのではないか。ところがどっこい、次に続く。
星景写真との親和性・絶妙な可搬性
いっぺんに並べたのは、上記の2つに関連性があるから。
まず星景写真との相性について。
これは論じるまでもなく、その身が物語っている。
例えばピント位置を固定するフォーカスクランプ。
真っ暗な中で行う星景撮影では誤ってピントリングに触れてピントがずれてしまうことはあるあるだ。そんな時、スイッチをONにすればピント位置が固定されるので安心。
その他にも専用のレンズヒーターを巻く溝まであったりと明らかに星景を意識している。
かくして星景は抜群にとりやすい。当然F2.8の明るさも効いている。
しかし、冒頭でも言ったように星景はフルサイズのD FA15-30mm F2.8を使うから、別に星景の撮りやすさは重要ではなかった。
はずだった。
ここで◎絶妙な可搬性、の話に繋がってくる。
まずはこちらをご覧あれ。
左がDA★11-18mm F2.8、右がD FA15-30mm F2.8。
APS用とフルサイズ用なのだから当然と言えば当然だが、F2.8通しでこうも大きさが違う。となると、カメラバッグに入れた時も
こうなるわけだ。
DA★11-18mmは立ててもカメラバッグに入るがD FA15-30mmは寝かせないと入らない。
ちなみにシグマの10-20mm F3.5とのサイズ比較はこの通り。
ほとんど差がない。フィルター系も同じだ。
では話をまとめよう。各レンズの星景と可搬性のバランスは次の通り。
D FA15-30mm F2.8
星景:◎
可搬性:✗
シグマ 10-20mm F3.5
星景:△
可搬性:◎
DA★11-18mm F2.8
星景:◎
可搬性:○
D FA15-30mm F2.8も車で星景を撮り行くなら問題ない。
しかし、帰省や旅行のように荷物が限定されると持っていくこと自体難しい。
かたやシグマはF3.5と星景撮影には少し暗い。
そこでDA★11-18mm F2.8。金だ。金を多く出せば全て解決する。鼻血が出そうだ。
描写性能
スターレンズだぞ。ひかよろう。
かっこいい
おまたせしました、「かっこいい」の時間です。
KPに装着するとこんな感じ。銀ボディと黒レンズは意外と相性がいい。
超広角ズームの丸太みたいなデザインに金環が似合っている。もちろん質感も文句なしだ。
もちろんK-3Ⅲとは誂えたかのような組み合わせ。
Not Good
ゴーストが出やすい
残念な点が1つだけ。それはゴーストが出やすいこと。
太陽光が入ってもスッキリとしたコントラストをキープしているのはさすがだけどゴーストは結構、派手に出る。
スターレンズと名乗るからには、もう少し頑張って欲しかった気もする。
まとめ
最後のゴーストは残念だけど、スターレンズという期待値が大きいだけで、ズームレンズとしてはこんなもんだと思う。
抜群の使い勝手の前ではあまりにも小事だ。
購入当初は使うどうか心配していたレンズだったが今ではD FA15-30mm F2.8の出番を完全に食ってしまっている。