ぶおおおぉぉぉん、ぶおおおぉぉぉん・・・
シロッコさん「(来たか・・・)」
ロドスタくん「こんちはっす!!シロッコ先輩!!ロードスターです!」
ロドスタくん「(うわぁ、あれがシロッコ先輩か・・・。弟の124スパイダーからもらったシチリア島の海の絵葉書と同じ色だっ・・・!)」
シロッコさん「何ぼっと突っ立てんだ。そんなところにいると、通行人の邪魔になるぞ。こっちこいよ。」
ロドスタくん「あ、そうですね!失礼します!」
シロッコさん「よく来たな。歓迎するぜ。何か飲むか?ハイオクならあるぜ?」
ロドスタくん「だ、大丈夫っす!ディーラーさんで十分飲んできたんで!」
シロッコさん「そうかそうか(^^) しかし、聞きしに勝る美しいオープンボディだな」
ロドスタくん「ありがとうございます!」
シロッコさん「しかし、俺には少し疑問もある・・・」
ロドスタ「え・・・?疑問ですか?」
シロッコさん「そうだ。果たしてお前が本当に”オーナーを満足させられるか”という疑問だ」
ロドスタくん「・・・!!」
シロッコさん「お前は確かにFun to Driveの権化と名高い名家ミアータ一族の4代目だ。しかし、実際はどうだ?」
シロッコさん「ごく僅かな積載性、たった2人の乗車定員、わずか130馬力、俺に遥かに及ばないトルク、限界性能の低さ。走りだけではなく、”快適に移動できる楽しさ”という観点を含めて考えた時、
本当にお前はウチのオーナーを幸せにできるのか??(`・ω・´)」
ロドスタくん「できます!!!!(どどん!)」
シロッコさん「・・・!」
ロドスタくん「確かに僕はバイク並みの積載性しかないし、女性の支持率わずか3%のオープンカーだし、シロッコ先輩とは比べ物にならないほど遅い・・・」
ロドスタくん「だけど!!」
ロドスタくん「それを分かっていてなお、勇気を持って僕を迎え入れてくれたオーナーを必ず幸せにする、それは我らミアータ一族の生まれながらの”誓い”なのです!!!!」
ロドスタくん「そう、出来るかどうかじゃない・・・!必ず幸せにしてみせます!!」
ロドスタくん「シロッコ先輩と同じくらい、いや、それ以上に幸せにします!!」
ロドスタくん「(`・ω・´)」
シロッコさん「(ふっ・・・。なかなか良い面してるじゃねぇか。わけぇ時の俺にそっくりだ・・・)」
シロッコさん「お前の心意気、しかと受け止めた!!」
シロッコさん「オーナーをよろしく頼むぜ・・・。なんせMT車なんて実家の軽トラくらいしか運転したことのねぇど素人だ。迷惑かけると思うが、きっと大切にしてくれるはずだ」
ロドスタくん「シ、シロッコ先輩・・・(´;ω;`)」
ロドスタくん「ぼ、ぼくシロッコ先輩の後任を務められることを誇りに思います(`;ω;´)」
神シロッコさん「涙をぬぐえよ。湿っぽいのは嫌いさ。」
神シロッコさん「ロドスタよ、これを受け取れ」
カシャッ!
ロドスタくん「シロッコ先輩、こ、これはもしや・・・」
神シロッコさん「そうだ”さいごのETCカード”だ。この鍵があれば全国の高速道路のいかなるゲートも開けられる。」
神シロッコさん「なんでも遥か昔は鍵の形をしていたらしいが今はカードになっている。受け取ってくれるな。俺のいーてぃーしー、いーしー、意志を!!!」
ロドスタくん「え?今なんか言いました?」
神シロッコさん「・・・ううん、なんでもない」
ロドスタくん「とかく、ありがたく頂戴します!」
カ、カシ
(助手席シート裏)
オーナー「めっちゃ入れずれぇ・・・」
カシャン!
ピーーー
「ETCを認識しました。」
ロドスタくん「な、なんだこの溢れ出す謎のちからは・・・!!!」
(気のせいです)
神シロッコさん「ロドスタよ。楽しめ。俺の言える最後のアドバイスだ」
ロドスタくん「はいっ!!!」
オーナー「よーーーし、ロドスタくんをコーティングかけに行くか〜〜」
ロドスタくん「シロッコ先輩、僕行ってきます!」
神シロッコさん「おぅ。よりイケメンになってこい!笑」
ロドスタくん「うっす!!」
ぶおおおぉぉぉん、ぶおおおぉぉぉん
ぶうぅぅぅーーーん
神シロッコさん「どうやら、安心して旅立てそうだな(`;ω;´)」
神シロッコさん「任せたぜ・・・!ロドスタ!!」
こうして共に生きる喜びをオーナーに教えたシロッコの意志は熱き血潮の色をした若きロードスターへと受け継がれたのであった・・・!